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離山のニハ

避暑地として人気の高いこの地も100年前は離山の噴火によって出来た野原であった。

当時、大隈重信が所有した大正15年建造の数寄屋を、修復して蘇らせ、新たな形を増築した別荘の庭の改修。

森の中で庭を造るのは難しい。自然が作り出す、無作為の力には到底及ばないからだ。

場の力を詠み取り、またこの先の100年、こうあってほしいという想いで手を入れる。

無常の世の中に有って、未来を予測することなど不可能であるが、多くの命が絶え、また新しい命が生まれるという行為が繰り返される流れの中に自分と植物を落とし込んでいく。

この地に新たな根をおろし、風景の力強い素になってほしいとの希望をもって。

これらの時間や想いが積層となり新たな文化となることを願いながら。