Works
祇園の坪庭









祇園にOPENしたフレンチビストロノミー。
施主からの要望は、お客様を我が家でもてなすような空間にしたいという事。 イメージは北欧の様な自然観だった。
北欧の人の様に「人は自然の一部」という意識が、かつての日本人にはあった。 自然を畏敬し、調和を保つ、その精神性への回帰がこの庭ポイントとなった。 庭に出なくても、林の中にいるように感じる場。 人と自然、内と外、自と他、その境を無くすような世界。
盛土をし、斜面に山堀の木を添える。切り株は残し、水に揉まれて形作られた石、苔むす磚を添える。 林立する木々、風にそよぐ葉、水の気配を感じる石、刻まれた時間、水面に映り込む光。 好きな要素を寄せ集め、寄せ(数寄)の美意識で空間を作った。
パリでも、東京でもなく、京都祇園を選んだ施主の、おもてなしへのこだわり。人が心を通わせることを大切にする場になるであろう。
photo by Tadayuki MINAMOTO