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三世の庭

三世代が棲む家の建て替え。先代、先々代の家屋の、瓦、壁土、柱などを再利用し、既存の庭を囲んで新しく構築される住まい。モノと一緒に「縁」も手渡されると、そこには価値計算の出来ない+αの要素が生まれ、その時の交換は贈与の性格をおびる。この交換によって「増殖」がおきる。街の片隅に静かに佇むこの家に流れる静かな時間に、新たに増殖された日々が紡がれていく。

先代が大切に育んできた大きな梅、点在する柑橘類が、たわわに実をつける。片隅に凛とした椿の花が一輪咲いていた。

photo by Tadayuki MINAMOTO